腹立たしいので鴆様にこの怒りを代弁してもらいます。
「例えるなら」
奴良組のシマを荒らす妖怪連中とごくたまに小競り合いが起こることがある。そういう本当に取るに足らない荒事にはリクオも渋々ながら鴆が百鬼に加わることを許してくれる。というか無理矢理ついて行くのが鴆の気性である。
そうしてリクオの為に羽根を広げる隙を狙っているのだが、傷ついた妖怪を見るとつい条件反射で治療に専念してしまう。気付けばリクオは最前線で頭目と刃を交わしていたりするのであっという間に出入りは終わってしまうのだ。ちょっとばっかり燻るが、出入りに参加出来ただけで高揚感を堪能出来るのだからまあ、安いことだ。
次の出入りは相当デカい。京に殴り込みをかけたが痛み分けた。その後、リクオは見事に三代目を継ぎ、陣頭指揮を任された。義兄弟として益々の活躍を祈るし、全身全霊をかけて助力しようと心に決めた。日々、研鑽を重ねて準備に余念がない。
そんなある日のこと。鴆が薬の用意をしているとリクオが不思議そうな顔をして尋ねてきた。
「そんなにたくさんどうするのだ」
おかしなことを言うと鴆は笑った。備えあれば憂いなしと言うではないか。出入りがあるのは確定しているのだから今からたくさん用意しておくのだ。
「ふーん。じゃあ、他の奴にすぐわかるように薬の種類を伝えておけよ」
鴆は首を傾げた。全部、自分で用意したのだ。一目見ればなんの薬かすぐにわかる。そう伝えるとリクオは目をゆっくりと瞬かせてこう言った。
「お前は留守居守り役だ。出入りには薬師一派から数名を連れて行く。頼むぞ、留守居守り役!お前しかできねぇ大事な役だからな」
ガーン!ガーン!ガーン!
この期に及んで出入り不参加のお達しです。
「ちょ!そんなんヒデェ!!いっそ死ねと言われた方がましだーーーーー!!!」
こんな感じ。ぐぎぎ。なんとしてでも参加してやるぅ!(鴆君とシンクロ率上昇中)
PR